日々様々な製造現場を回る中で、ある金属加工業の会社の代表から、「工作機の稼働率を上げたいが、刃物が折れたり機械が壊れる懸念から24時間運転はできず、人が付けない夜間や休憩の時間も止めずに運転できる方法を探している。」というご相談をいただいたのが振動大臣開発のきっかけでした。その会社が今回ご協賛に至った波速工作所さんでした。
振動試験装置の製造・販売において世界トップメーカーであるIMVさんのご協力のもと得ることができ、振動センサを用いた加工条件の可視化の実証実験をスタートしました。当初は、既存のデータロガーや解析ソフトをを用いて、振動データの収集と解析作業を行いました。その中で、振動センサを利用することによって、職人の「勘」を可視化することは実現可能、ということが分かりました。ただ既存のソフトは様々なことができる一方で扱いづらく、現場で働く人の用途には合っていないと感じました。
そこで、高度な分析ではなく、必要最低限の振動値+加工条件のデータ活用が可能な現場で使える実用的なツールの開発を目
指して、回路設計や筺体開発のところでヒサミツさんを加えた4社で共同開発に至り、今の振動大臣の形が生まれました。
AI及び異常検出ロジックは現場PCに搭載、異常があったら工作機械側に停止信号を出力、収集したデータの蓄積やレポートの閲覧はクラウド上で行う仕様です。現場の働き手の負担を軽減し、仕事を楽しくできるような現場にあったシステムを開発することが目的でした。この構想から1年以上の開発期間と実証期間を経て、今回のサービス化に至りました。